江口浜の砂に書いた「好き」消して、波はどこへ帰るのか?

ちゃんびい

さうれぽのちゃんびいです。

先日、と言っても2月の話ですが、吹上の江口浜へ行ってきました。

夕日がきれいに見えることで有名です。

日の入りの時刻を調べたところ、到着するのは、けっこうギリギリになりそうでした。間に合うかな、と思いながら車を走らせました。

頭の中で長渕剛の「Captain of the Ship」が流れていました。

ヨーソロー 進路は東へ
ヨーソロー 夕陽が西に沈む前に

私の母は、長渕剛は好きなのに、「Captain of the Ship」は嫌いだそうです。理由は「くどいから」です。「お前が舵を取れ」と、軽自動車のハンドルを握る僕の頭の中で繰り返されます。母が「言われなくても舵は取るから」と、答えます。「STAY DREAMが聴きたい」と愚痴を言います。

実際に車内ではaikoを聴いていました。

到着した頃、すでに夕陽は沈みそうでした。

以前訪れた際、夕陽がものすごいスピードで沈んでいったように記憶しており、それがすなわち自転の速度なのだと思って感動したのですが、この日はなぜかゆっくり沈んでいくように思えました。

江口浜には、夕陽を見に来たとおぼしき人々がほかにもたくさんいました。カップルが二人で海に来てはたくさん写真を撮っていました。

釣りをしている人もいました。

先日亡くなった祖父は、種子島の学校を卒業し、魚屋をやっていました。家が貧乏で大学には行けませんでした。島に同級生が帰ってきても、顔を合わせるのが悔しくて、家でばかり酒を飲んでいたそうです。

そのままずっと島で暮らしました。年老いて魚屋をたたんでからは、島の生涯学習センターのようなところで書道を習ったり、グラウンドゴルフの練習に励んだりして過ごしていました。

ずっと俳句が好きで、居間のちゃぶ台には歳時記が揃えてありました。

祖父のお気に入りの一句があり、細長い紙に書いて仏壇の隣に飾ってありました。

釣り人や 一人瀬に立つ 春の海

いま振り返ると、魚、そして釣りが好きだったんだと思います。「釣り好きに悪い人はいない」ってモー娘。も歌っていました。

沈む瞬間をとらえようと思ってスマホのカメラを何度か向けましたが、じっと見ていないともったいない気持ちになって、結局、沈んだあとのまだ光の残っている海が撮れました。

空と海にオレンジ色が映っています。

浜辺でおにぎりを食べながらただ海を眺めている人々の生活には、この風景だけでなく、風景を楽しむ時間とか考え方が、根づいている、という意識もないくらいに自然なものとしてあるのだ、と、僕は江口浜に限らずこういう場所を訪れるたびに感じて興奮します。

さらにはそうした人々の生活をどこか上から値踏みするような態度を自分の中に見つけ、恥ずかしく情けなく思い、私はばかばかしい人間なのだという事実を押し隠すためにふざけたことを言ったり、妙な行為を試したりして落ち着きを取り戻そうとするのだと、そうあらためて再確認するような振る舞いをこの日もしてしまったことを、ここに白状します。

砂に文字を書きました。「すき」と書きました。

サザンオールスターズの「真夏の果実」の歌詞を思い出したからです。砂に書いた好きを消して波はどこへ帰るのか?

通りすぎゆく love and roll

うっすらすきが残っている。愛をそのままに……と、これを何度かやったあとで気付いたのですが、「真夏の果実」において、砂に書いて消えていくのは名前ですよね。なんで僕は好きと書いているのだろうか、と思って調べてみたら、

四六時中も好きと言って
夢の中へ連れて行って
忘れられない heart and soul
声にならない
砂に書いた名前消して
波はどこへ帰るのか
通り過ぎ行く love and roll 
愛をそのままに

サビの最初の「好き」と、次にくる同じメロディーの「名前」をごっちゃにしておぼえていることがわかりました。

こうして書いていて、別に特筆すべきことではないなと思って、余計に恥ずかしくなっています。

帰りの車でユーミンの「翳りゆく部屋」を聴きました。

江口浜に沈む夕陽はあまりにもできすぎた風景で、それはおそらく僕の今までのいくつかのドラマみたいな思い出と結びついているせいで、やけに現実離れしているからだと思うのですが、そんなこっぱずかしさを受け止めずに逃げようとする自意識の悪あがきに対して、いい加減、僕はきちんと向き合って処理しなくてはろくな大人にならないぞ、と言い聞かせながら帰りました。ただ夕陽を見ただけなのに。

それにしたって、江口浜はとてもいいスポットなので、ぜひ訪れてみてください。

江口浜海浜公園|鹿児島県観光サイト/かごしまの旅
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ちゃんびい

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