【インタビュー】漫画家・ミヤオカジョブさん(前編)

インタビュー

さうれぽの県民インタビュー企画、今回のお相手は、漫画家のミヤオカジョブさんです。

ミヤオカジョブさん

ミヤオカさんは鹿児島市内在住。お仕事のかたわら、漫画を描いており、昨年、「Beer wo Nomihoshitai」を自費出版されました。さうれぽでも、エヌが感想記事を書かせてもらっています。

インタビューにふさわしい場所として、ミヤオカさんに「欧風バル suq」というお店をご紹介いただきました。

欧風バル suq (スーク)
1名様~90名様(最大着席)まで多種多様なシーンでご利用をお待ちしております!! 〒892-0842 Kagoshima鹿児島市東千石町7-2 JKセピアビル2F

天文館にあり、「Beer wo Nomihoshitai」の最初のシーンでも描かれています。ロケハンをされたそうです。(本格的な準備……)

ミヤオカさん、ちゃんびい、エヌの歳の近い3人で、お酒を飲みながら語り合いました。

ミヤオカさんが漫画を描くに至った経緯、創作活動への思いなど、ぜひご覧ください。

初めまして、酒、iPhone

ーー(さうれぽメンバー・ちゃんびい)今回、ミヤオカさんとは初対面なんですよね。お酒の力を借りて、お互い、お話させていただこうと思います(笑)

ミヤオカジョブさん:ありがとうございます。

ーー取材場所をご指定していただき、助かりました。鴨池のガストになってしまうところでした。

(エヌ)週にどれくらい飲みますか?

3、4日くらいですね。仕事が朝からあるので、あんまり深く飲めないんです。

ーーお酒にはすごく強そうですよね……。

見た目はあんまり変わらないんですよ。気づいたらスイッチが入ります(笑)

ーーミヤオカさんは、出身はどちらなんですか?

奄美です。大学進学を機に、こっちに出て来ました。大学時代は寮で暮らして、そのあと5年くらい、一人暮らしです。

(エヌ)鹿大ですよね。鹿大の寮って、どこにあるんですか?

唐湊幼稚園の近くです。あそこは、長渕剛が壁を塗装したという噂があるんですよ。

ーーそれ本当ですか?

(エヌ)プラスにはたらくかどうか、微妙な噂ですね……

『長渕剛さん来園(2021/9/13)』
    9月13日、突然の来園でした。園内は大きな喜びの渦となりました。 唐湊幼稚園の壁は長渕剛さんの「空/SORA」を基にデザインされました。その一角の建物…

(注:長渕剛さんの作品をもとに、デザインされているそうです。失礼いたしました)

柏木由紀の出身の幼稚園、という噂もあります(笑)(注:これも事実のようです)

鹿児島育鳳学館 −唐湊幼稚園−【卒園者達】
とそ幼稚園の卒園者達になります。

ーー騎射場は学生さんが多いですよね。

サラリーマンはあんまりいないですね。

(エヌ)僕も騎射場の近くによくいるので、どこかで遭遇してるかもしれないですね。

ーーこのあいだ、長城という中華料理屋に行きました。あのお店、美味しいですね。

いいですね、美味しいですよね。私は銀次というお店が好きで。焼き鳥がうまいです。あそこ、最高ですね。餃子もタネから作っていて、つくねも手作りです。個人的には、ベスト5に入ります。

やきとり銀次 (騎射場/焼鳥)
★★★☆☆3.07 ■予算(夜):¥2,000~¥2,999

ーー莫逆ってお店、わかります? レバ刺しがうまいんですよ。

あ、行ったことあるかもしれない。相当美味しいところですね。ちょっとお高めの。

ーーお金持ってそうな人たちがいっぱいいました。ビールがグラスで出ました。実は私も、荒田周辺で仕事をしていたことがあって。気になっているのが、騎射場のバーなんですけど……大学の近くの、まねきねこの近くの。

TWO-DOGSですかね。

ーーああ、そこです!

あのお店の店長のツイッターのアカウントがあるんですけど……基本的に下ネタと絡めて宣伝してるんですよ。

(エヌ)けっこうリーズナブルなバーですよね。

ああ、これです。「童貞を馬鹿にしている方のご来店はご遠慮ねがいます」と書いてあります。

ーーいったい何があったんでしょうか……。(エヌの録音用のiPhoneを見て)これ、ちゃんと録音できてるかな。画面バキバキだから……。突然ブチって切れたりしないか心配だな。

(エヌ)大丈夫です。大丈夫みたいです。

ーー「SIMなし」って書いてあるね。

(エヌ)もともと画面バキバキで、「買い換えよう」と思って買った次の日に、またバキバキになったんですよ(笑)恥ずかしい。

これ6Sですか?

(エヌ)いや、SEですね。カバーもつけてたんですけど。

ーーいったい何があったんでしょうか。

ミヤオカさんのお仕事

ーーミヤオカさんは、何のお仕事をされているんですか。

ミヤオカ:派遣の仕事をしています。それより前はピザ屋のアルバイトとか、マジックバーで働いていたこともありました。

もともと、運送会社にいたんですよ。でも、やりたい仕事ではなかったんです。「本当にやりたいのってこれかな?」と思って、フリーターになりました。そのあとは、いろいろ描き物をしながら。

ーー運送会社にはどれくらいいたんですか。

新卒で、1年ちょっと、いましたね。総合職で入って、「まずは現場をおぼえてから、仕切る仕事に移る」って感じだったんですけど。

(エヌ)よくあるやつですね。

まあ、仕切る前に辞めちゃいますね。

ーーそういえば、タバコ吸われます?

あ、じゃあどこかで。以前のたにかつさんのインタビューを読んで、あの切り方、いいなって思ったんですよ。

(エヌ)「ちょっとタバコを吸いに」って言って前編が終わるやつですね。あれ、かっこいいですよね。

ーー構成したのは自分たちだけどね(笑)

好きな漫画と映画

ーーミヤオカさんはどのような漫画を読まれるんですか。

高校くらいまでは、ジャンプ系の漫画を読んでいたんですけど。それ以降は、ガロ系とか、アンダーグラウンドの方向にいっちゃっいました。「売れそう」というものより、どちらかというと、自分が描きたいものに近い感じです。

ーーガロ系で言えば、私も、つげ義春が好きなんですよ。お好きですか?

好きです。

ーーいちばん好きな作品は何ですか?

やっぱり、『ねじ式』ですね。あとは、『無能の人』とか。初めてつげ義春の話をしました(笑)いいですよね。自分が無能側の人間なので。

(エヌ)いやいや、石、売りたいですよねえ。

あれ、現代だと、YouTuberとかになるんですかね。

ーー拾ってきた石を売る話ですよね。僕は『無能の人』の最後の、俳人の山本井月の話が好きなんですよ。主人公が、井月の評伝を読みながら、自分の生き方に思いをはせる。

主人公は生産的なことはしていないのに、考えだけは深いところにいる。いいですよね。つげ義春は、最近は活動してないですよね。あの、話のネタがないなと思って……今日は本をたくさん持ってきて。(袋から本を取り出す)

ーー先ほどから気になっていました。ありがとうございます。

こちら、わりと最近の本なんですけど、川勝徳重さん『電話・睡眠・音楽』。リイド社の本です。川勝さんは、1992年生まれで、これは20代半ばで出版しています。この絵に影響を受けたんですよ。普通、漫画って、スクリーントーンを使って表現するんですけど、この人は墨を使う。そして、左から読む。実際の渋谷の風景を描いているんですけど、めっちゃいいですね。

ーーほう……(見せていただきながら)

(エヌ)漫画はずっと読んでいるんですか?

読んではいるんですけど、本数はそこまで。古谷実も好きですね。『シガテラ』とか。これは人格形成にも影響を受けています。あとは高校時代に知った、浅野いにおとか。

ーー僕も同じくらいの頃、好きになりました。『素晴らしい世界』から入って、そこから集めました。

僕は『おやすみプンプン』でした。

ーー『零落』読みました?

最っ高でした。

ーーですよね! あれがいちばん好きかもしれない。

終わり方も胸くそ悪い感じで……胸くそ系、好きなんですよ、その発言だけ切り取ったらヤバいですけど(笑)

ーー『ヒミズ』もそうですもんね。

『ヒメアノ〜ル』も。

(エヌ)あれ最高ですよね。僕は『サルチネス』です。ちょっと前向きな感じの。

あの時代の作品では、いちばんポップですよね。浅野いにおが影響を受けた作家として、つげ義春とか、そのあたりを掘っていく感じでした。

ーーまったくいっしょですね。僕もそんな感じでした。

藤本タツキさんもすごい。ひとつ上の歳ですかね。今日は『ルックバック』を持ってきました。これはすごかった。アシスタントが、さっきお話した、川勝徳重さんなんですよ。

ーー僕も読みました。確かにすごくよかったですよね。

僕の漫画には、なんでもかんでも台詞で説明しがち、という部分があるんですよ。全部言葉で説明しちゃう。でも、いちばんいいのは、背景とか表情で説明すること。藤本タツキさんはそれがうまい。あと、構図。テンポ感もうまいですね。あと、リアリティがすごいんですよ。主人公が絵の練習をしている描写があるんですけど、僕が持っている教則本とほぼほぼいっしょだったんですよ。

ーー漫画の教則本を読まれるんですか?

最初は読んでました。あとは、映画の教則本も。ラジオをよく聴くんですけど、それで知った三宅亮太さんの『スクリプトドクターの脚本教室』とか。ラジオで言えば、宇多丸さんの映画評論も、脚本上のダメなところを話しているんです。

ーーあの方、2回観てお話されますもんね。

そう、よっぽどのことがない限り。

ーー映画も好きなんですね。着ているTシャツが、気になっていました。

ユニクロで買いました。『2001年宇宙の旅』のシャツ。でも映画を観出したのはここ数年で、最近は忙しくて観てないですね。スタンリー・キューブリックとか、デヴィット・フィンチャーなどを。『エイリアン3』『セブン』『ゴーン・ガール』など。

ーー『ファイト・クラブ』とか。

そうですね。あと、典型的なサブカル好きって感じですが、クエンティン・タランティーノとか。

ーーやっぱりそこを通りますよね。

園子温とか。最近は、ニコラス・ウィンディング・レフン。『ドライブ』『ネオン・デーモン』とか。完全にアート寄りですね。趣味が合いますね。

ーー僕、高校時代『ファイト・クラブ』を観て、次の日、同級生と殴り合いをしましたよ。同じ陸上部の友達に「ファイト・クラブしようぜ!」って言って。友達は『ファイト・クラブ』を観ていないから、「なんだこいつ?」みたいな顔で付き合ってくれましたね。友達が小学生の頃に剣道をやっていたから、間合いの取り方とか上手くて、誘った僕がぼろ負けしました(笑)。

いいなあ。僕は23歳くらいで観たので……。主題歌もいいですよね。ピクシーズの『Where Is My Mind?』ですね。「ああ、これ泣くわ……」と思いました。1999年くらいですか。フィンチャーなら、『エイリアン3』も好きなんですよ。

ーー失礼ながら、それは観ていません。

いろんな意向があって、この作品はうまくいかない。でも、このあとが『セブン』なので。「フィンチャー、本当に頑張ったんだなあ……」と思える。日本の映画も観ますよ。

(エヌ)僕は園子温の『愛のむきだし』が好きなんです。

僕も、それは人生マイベスト、3本の指に入ります。主人公が追い込まれていくのがきつくて、でも二転三転あって、ここまで楽しませてくれるんだ、と思います。いつも泥酔しながら見るので、忘れてるんですよね(笑)。だからこそ、いつ観ても新しい発見がある。

(エヌ)あの映画のおかげで、安藤サクラの良さを知りました。

僕も、あれで好きになって、他の映画を観たりもしていました。『百円の恋』とか。

ーー他にも本を持ってきていただいて。

小説も読むけど、そこまで深くは……。これ、よかったですね。『82年生まれ、キム・ジヨン』。いろんなクソ男に追い込まれるんですよ。感情移入する一方で、「でも俺も男だ」と思って。

(エヌ)私も、これ、読みました。ラストも……。

これを読んでから、「男しかいない場面で、女の子の話、あんまりしないようにしよう」と思いますね。何回も読むかもしれない。これの映画もやばいらしいです。宇多丸さんが言ってました。

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』オフィシャルサイト|絶賛公開中!
絶賛公開中!|大丈夫、あなたは一人じゃない。共感と絶望から希望が生まれた――ベストセラー小説、待望の映画化

ーータバコ吸いますか?

あ、では。ありがとうございます(笑)これができた。

ーーここで切って、後編に……。

お酒と美味しいごはんのおかげで、少しずつ話が盛り上がってまいりました。後編では、ミヤオカさんの創作活動を中心に、お話をお聞きしたいと思います。

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